本のコト

読書ファイル001「好奇心を“天職”に変える空想教室」植松努 著


 

「人に勧めたい本は?」と聞かれたら


いま僕が選ぶのはこの本、「好奇心を“天職”に変える空想教室」

著者は、小さな町工場から自家製ロケットを作り、宇宙開発事業を手がけるまでに至った植松努さん。

『好奇心を“天職”に変える空想教室』

 

植松さん自体は有名な方なので、きっとご存じの方も多いと思いご本人の紹介はバッサリ端折っちゃいます(^_^)(興味ある人はググッてね)。

 

ただ300万再生されてるTEDの講演動画を見たことのないという方は、ぜひ一度見てみて!(見てみて!)特に中高生の学生さん…いや、生き方に悩む大人にもオススメしたい!

 

とても聞きやすくて植松さんの人柄も感じ取れる良い講演だし、本書の内容も半分くらいカバーしている動画なので、約20分だから人生で一度は見ておいて損はない↓↓↓

 

さて、僕がなぜこの本をオススメしたいかというと、まずは、植松さんが実に平易な文言で綴ってくれているため、ふだん本を読まない人や、難しい言葉が苦手な人でも読みやすい本だから。そう、間違っても『平易な文言で綴る』などという小難しい言い回しをしない、親切丁寧な本なのである。

 

そして何より、これからの時代を生きる人にとって、植松さんのような考え方を人生のベースに持っておくことは、もはや必須だと思うからだ。

 

植松さんは実行の人だ。しかも、誰もやったことのない世界に足を踏み出して、失敗を重ねながら経験値を積み上げている。実体験から出た言葉ほど重みのある言葉はないし、下手な自己啓発本よりもよっぽど当を得た言葉が並んでいる。

 

例えば、自分がやったことがないことをやりたい時、誰に相談すれば良いだろうか?そんな疑問に明確な答えを示してくれている。

 

自分がやりたいことを「やったことがない人」に相談すると、“できない理由”を教えられます。これは相談する相手を間違えてるだけです。「やったことがない人」の意見は参考にしなくてもいい。親ですらもです。

 

【やりたいことは「やったことがある人」と仲良くなれば、あっさりと実現に近づくことができます。やりたいことがあれば、「やったことがある人」を探すのが一番の近道です。

 

いやはや、未知の世界にたくさん飛び込んできた経験者だけに、言葉に真実味がありますな(@_@)ただ、こうやって一文だけを抽出して読むと、とりわけ特別なことを言っているようには見えないし、「そんなの知ってるよ」「そんなの分かってるよ」…という気になるかもしれないけど、実際に本で前後のエピソードなんかも踏まえて読んで貰えば、その経験からくる言葉の重みが胸に響くと思う。

 

もう一つくらい紹介すると、自ら経験することの大切さについてはこんな感じで述べている↓↓↓

 

【能力というものは、失敗するか成功するかの「経験」によって身につきます。「楽をする」ということは、つまり「その経験を避ける」ということです。だからずっと楽をしていたら、自動的に無能になって、誰からも見向きもされなくなります。

 

人生の価値は、人生の時間を使って得た自分自身の経験で決まります。

 

植松さんの『やったことがないことに取り組む』という生き方こそが、これからの時代大いに参考になると思う。いや、それどころか、もうこの考え方は必須といっても過言じゃないと思うのだ。なぜかって?

 

将来に対する危機感


この本が初っ端から僕の心を捉えたのは、一番最初にあの人口推移のグラフが載っていたからだ。そう、よく見るアレ…「これから人口メッチャ減るでー(・д・)/」のグラフだ。

 

国土交通省HPより

この将来予測に対する危機感を、僕はここ数年ずっと抱いている(以下、お堅い文章でゴメンあそばせ)。

 

ちょっと真面目な話をすると、戦後日本は人口も経済も『右肩上がり』で成長することを前提とした仕組みを作ってきた(例えば年金や健康保険、インフラや教育や就職も)。その仕組みが通用しなくなる社会がもう既に始まっていて、少なくとも今後100年ぐらいは避けようがない。

 

僕や子供たちが生きている間は、基本的に『全てが縮小・衰退して行く社会』だ。これからの日本は『いかに上手に縮小するか』という困難なミッションを乗り越えなくてはいけない。今の時代に生まれた僕らはハズレ世代だと腹をくくって立ち向かうしかないようだ。基本的には、“負け戦で撤退する敗軍の退却作戦”に通じるような、マイナスのベクトルへの対応の連続なのだ。

 

だがしかし、果たしてそのような対応が出来ているだろうか?既に不要となった”イケイケどんどんの攻めの作戦”を引っ込めることは出来ず、場当たり的に修正して延命を図っているだけではないだろうか?そうなのだ、都合の悪いことに目を瞑り、先送りにして、将来世代に負債を押しつけているのである。

 

既に人口減少社会は始まっている。これまでとは180度真逆の世界…はちょっと言い過ぎだとしても、120度くらいは違う世界に、僕たちはもう片足を突っ込んでいる。そう、今までの常識なんて、何の当てにもならないのだ。

 

はじめての時代を僕たちは生きている


僕のそのような危機感に対して植松さんはこう語る。

 

上の世代がいうところの「若い頃は」「昔は」「普通は」という常識は一切通用しないでしょう。まったく新しい、はじめての時代を僕たちは生きているのですと。

 

そして、これから先の困難を打開するためには、一人ひとりの能力の向上が不可欠であり、【能力の向上のためには、夢が必要】と断言している。植松さんの思考の底流には、この《夢》という言葉がある。

 

植松さんは、【「自分にできそうなことの中から選んだもの」が夢なのでしょうか。】と疑問を投げかける。そして、《夢》について考え抜いた末に、【夢とは、「今できないことを、追いかけること」】という確信に至っている。

 

そういわれてみると、比較的自由な生き方をしていると思っていた僕でさえも、いつの間にか“現実的に達成できそうなこと”しか、夢の範疇に入れていなかった気がする。《夢》という言葉自体の中に、本来の夢が含まれていないパラドックス…。ムムム、大人になるということが、夢や世界の広さを狭めることであっては情けないなぁ。

 

ところで、植松さんのように《夢》を大上段に掲げて語る大人は珍しい。なぜなら夢を語るよりも、「そんな夢みたいなことをいつまで言ってるの?」と批判している方が、より大人であるかのように見えるからだ。夢を否定することは、手軽に大人へ上るための階段…いや、エスカレーターと言ってもいいかもしれない。

 

たぶん、これまでの時代はそれでも良かったのだろう。いやむしろ、そうでなければ生き難い社会であったのだろう。急速に成長拡大を続ける時代において、社会や企業が求めたのは、“均質な部品”や“命令に従うロボット”としての労働者であったのだ。むしろ自由や個性、夢などを個々人が持つことは、社会にとっても個人にとっても邪魔であったのだ。

 

しかし、時代は変わった。


これまで邪魔だった《夢》こそが、僕たちの未来を切り開いてくれる時代が来た。

この困難な状況になってようやく、自分の心が望む人生の選択肢を選べる時代になったのだ。

さっきハズレ世代と言ったけれど、実は一周回ってアタリ世代なのだ。

きっとそうなのだ。

 

植松さんの言葉を少し借りたい。

 

【素晴らしい可能性を持ったみなさんですが、いつか、誰かから“あきらめ方”を教わっています。(中略)それは「おとなしくて」「聞き分けが良くて」「都合のいい」人間を作るためです

ところが今では、受験を合格できた「素直で真面目」な人たちはロボットに軽く負けてしまうので、昔ほど求められていない。

 

そう、時代は変わったのだ。

これまで求められていた「素直で真面目なロボットのような人材」は、もはや時代遅れになりつつあるのだ。このことを既に肌感覚で感じている人も多いだろう。では、これからの先の困難な時代に生きる子どもたちは、果たしてどのような人に育てば良いのだろうか?

 

目指すは「一緒に仕事したい」と思われるような人物


その疑問に対して、植松さんがズバリ鋭い見解を示されていた。

 

社会で生きていく上で大切なことはたった一つ、一緒に仕事したい」と思われるような人物になれるかどうか。

【親が「一緒に仕事をしてみたい」と思えるような子なら、その子はきっとみんなから「必要だよ」といわれる】

 

どうだろう?

 

これは別に、みんなと上手くやれるコミュ力が大事だぜウェ~イ(・∀・)…という話ではない。もっと総合的に見て…というか感覚的なものとしてシンプルに、「一緒に仕事をしたい」と思われる人間になることが大事だということだろう。

 

そのためには、個性と、それを確立するための経験が必要なのだ。

 

個性は、自分の経験です。そして個性があると、まわりから「必要だよ」といわれるようになります。

自分で考えて、自分でためすんです。そうしたら「必要だよ」といわれるようになります。

 

と、植松さんは述べるのである。

 

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まとめ


これからの時代を生きる子どもたち(さらには大人たち)に求められる生き方が、少し見えてきたのではないだろか?

 

『夢を抱き、自らそれを実現するためにやりたいことをやってみて、その経験の積み重ねから個性を確立する生き方』だと僕は思う。また、子どもたちがそのように育つことが出来る環境を整えることが、親や社会の役割なのだと思う。

 

これからの時代を生きていく上で、参考になる言葉が詰まったとても良い本だと思っている。ここに紹介した文章は、僕の関心があるテーマに焦点を絞ってまとめたので、ちょっとお堅い本に見えちゃったかもしれないけれど、実際の本を読んで貰ったらもっと読みやすい印象をもって貰えると思うので、興味を持った方はぜひ読んでみて貰いたい。

 

最後に、僕が個人的にヒットした言葉を、備忘録的にいくつか紹介して終わりにしたい。

 

他人の顔色をうかがいながら、波風を立てないよう「自分の居場所」にとどまれば、いつかこの世に自分の生きる場所がなくなります。】

「ちゃんとしているふり」をしていると、ろくなことにならない

【もしなにか迷っちゃったときには、「自分は楽を選んでいないかどうか」だけを気をつければいい。】

「お金は、“自分の知恵と経験”のために使ったら、貯まり続ける」(植松さんのばあちゃんの言葉)】

 

以上、おしまい。

 


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